わたモテ20巻
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! の感想をしたためていきます。ネタバレしてるので、先に本編を見てね





和田くん……?


あらすじ
 サチが小陽と仲直りする前のこと。サチがひとりぼっちで食事をとっていると、そこに見知らぬ男子が現れ……。


つれーわ眠気取れなくてつれーわ
 オムニバス形式の後編。
 まずはもこっち、ゆりちゃんにまこっちの3人が廊下でダベっています。もこっちが、勉強していると夜に眠たくなる話を振ります。が、ゆりちゃんは否定から入り、会話を打ち切る姿勢。

 もこっちの眠気対策はブラックコーヒー。ところが、コーヒーを飲んでも眠気は取れず。「毎日ブラックコーヒーを飲んでるからカフェインが効かねーのかなー、つれーわー」などとのたまっていると、ゆりちゃんから「ブラック飲んでるアピール?」と図星を突かれたらしく、もこっちは真っ赤な顔でこれを否定。

 すると、まこっち……ではなく、前触れもなく登場したうっちーが「うざい」と一言。即座に「キモくねーのかよ!?」とつっこむもこっちがさすが。絶をマスターしているのかな?
 うっちーの瞬間移動は読者も慣れたものですが、もこっちも彼女への対応に慣れが生じてきていますね。いいぞーこれ。


お化け役への気遣い
 そうしてうっちーを加えた一同の次なる議題は、うっちーが属する3年4組の文化祭の出し物について。うっちーは二つの案が出ていると説明。男子からはお化け屋敷、女子からは凪さんを中心にコーヒーカップの案が出ているそうです。凪さんにおまかせします
 コーヒーカップとは? ということでようつべで調べてみると、お手製の搭乗型メリーゴーランド的なものが出てきました。いやあすごい! さすが凪さん

 お化け屋敷のオバケ役の人に気を遣うなどと言い出すもこっち。相手が機械仕掛けのオバケなら、リアクションは素のもの。ただ人が中に入っているオバケなら、仮に怖くなくても気を遣ってリアクションをしてしまうとのこと。テレビなどでお化け屋敷の企画があれば、芸能人はきちんとリアクションをするから成立するもの。

 これをノリの悪い人(ゆりちゃん、うっちー)が入ってしまうと、驚かしてきた怪物さんに対しリアクションがおざなりになり、中の人が手持無沙汰になってしまいます。
 もこっちの言いがかりに近い持論に対し、うっちーはお化け屋敷でのそれらしいリアクションをする処世術を身に着けていると反論。一方のゆりちゃんはもこっちの意見に内心で激しく同意。

 あぁ……話の内容はともかく。うっちーがもこっちと自然にお話できていることが何より嬉しく感じますね。入りはやや強引でしたが、着々と友情は築けているのではないでしょうか。
 背景と化したまこっちさんも次は一言お願いします。


和田ちゃんの連絡先を聞きたい(感想)
 続いては文化祭実行委員での打ち合わせ。あ、あれ、明日香がいる? プレゼン時の実行委員にはいなかった気がしますが、なにゆえ……。

 みんなの話題は1年の頃、メイド喫茶で男子が女装した話。えっ(ときめく鼓動)
 岡田さんが見せてくれた写真には、清田くんと和田くんの女装姿……あああああああああああああああかわいいいいいぃぃぃああああ
 清田ちゃんのクオリティも一定以上ありますが、何をおいても和田ちゃん! うっそだろお前、劇中トップクラスの可愛さじゃねえか! うおおおあああああ足細っ 当然和田ちゃんの色香にやられ、連絡先を聞く男も! 頃すぞ

 和田くん、連絡先を聞いてきた男と何度か会っていると言い出します。えっ

和田くん「ほら2年の時腰とかお尻痛いって言ってたよね。あれ……それ

ウソだ!

 得も言われぬ空気に包まれる一同。ネモの顔で草生える。
 和田くんは「黒木さんっぽい冗談を言ってみた」と説明、清田くんがうまくその場を収めました。

 冗談????? ど、どっち???? 和田くんは底の見えぬ恐ろしい男よ……。それにしても、もこっちをよく引き合いに出してますね和田くん。文化祭編を通じて仲良くならないかな?

 和田くんのソリッドジョークに端を発した微妙な雰囲気下において、同じ人の輪にいながら、状況を理解しきれていない人物がひとり。そう、わたモテのウブ代表こと岡田さん。ゆりちゃんも?

 岡田さんは一人で考えます。黒木っぽい=下ネタという方程式を参考に、腰が痛くなるということは男女の営み、というドラマや少女漫画で得た見識に結び付けます。しかし、どうしてお尻が痛くなるものか? と考えた岡田さんに電流走る! 男同士ならばその矛盾は解消! 男女でもその場合はあるけど

 みんなが一瞬で理解したことを、自分だけが遅く理解してしまう。陽菜ことネモがかわいいと思っていたのに自分が雛だった。
 なんかうまいこと言いながら一人でウケている岡田さんはカワイイ(自明の理) 経験値を少しずつ貯めて、いずれはもこっちの繰り出す下ネタにもうまいこと対応して欲しいところ。じゃあこのポルノ見よっか


褪せた思い出
 続いての登場は、人としての株の下落著しい風夏。なのですが、今日は違いますよ。彼女を取り囲むのは女子集団。みな一様にぽっと頬を染め、風夏の凛々しさに夢中の様子。

 全盛期の面影を見せる風夏に女子達が群がる理由は、ダンス部や軽音部が助っ人を頼みに来ることだと、美保さんがもこっちに教えてくれます。軽音部が来るのは、風夏が楽器を弾けるから、というわけではなく、その歌唱力の高さ。
 ほう、これは何とも意外な一面。凛々しいビジュアルに加えて歌声もあり、スポーツ万能となれば、彼女に傾倒する女子は山ほど居ることでしょう。

 美保さんが明日香にその話を向けると、そこには冷え切った顔の明日香。コワイ!
 明日香は先に教室に戻ると言い、その場を去ります。明日香の感情の理由がわからないもこっちに、美保さんがその顛末を教えてくれました。

 昔、明日香の誕生日に、風夏が明日香の好きな歌を歌ってみせたというのです。ピアノ演奏は美保さん! 風夏の歌は明日香の心に響き、強烈なインパクトを残した様子が、当時の彼女の驚いた顔からも伝わります。
 その頃は、明日香も美保さんも、風夏のことを……。

 二人の話す様子に気がついた風夏、もこっちに対して誇らしげに宣言することがあるようで。曰く、ゆうちゃんからもこっちに送られていたちんちんパイプラインを遮断、方向を自らに切り替えさせたとのこと。悔しいか? 悔しいでしょうねぇ、明日香は特に……過去の美麗な記憶は、現在の残念な挙動によって色褪せてしまったご様子。取り巻き女子に聞かれてございましてよ!

 佐々木風夏の全盛期はたしかにあった模様。なぜ維持できなかったのか、コレガワカラナイ。


サチと智貴
 続いての主人公は、サチ! やったね!

 時系列的には、キバ子グループが解散したすぐ後、ぼっちになったサチの話。学校の至る所に人の姿はあるもので、ヤンキー組だったり男を侍らせた美少女だったり、一人になれる場所が少ないことを知るサチ。ノリとマキさえいなければその場所はどこでもいい、と言う言葉から、キバ子への矢印が見える見える。

 サチがようやく見つけた一人になれる場所は、かつて二木さんが彼女を見つけ、いずれキバ子が彼女を訪ねる校舎の陰。サチがその場所に一人佇んでいると、そこに現れた一人の男子……智貴の登場だぁー! あっ喪191で言及された男子! この邂逅描いてくれるんですね!

 智貴はサチと少し距離を開けて腰掛けます。一人でいるサチの隣にわざわざ腰掛けてくる面識のない男子の意図が見えず、困惑するサチ。彼のしているネクタイの色から、2年生、つまり後輩男子ということを察します。
 智貴は、一人になりたくてたまにここでご飯を食べていること、邪魔だったら申し訳ないとサチに伝えます。自身と同じくぼっちの存在と認識するサチ。

 かくして、面識のない1+1での食事がスタート。目の前がコンクリートの壁ということもあり、ロケーションはちょっとアレですが。
 食事をしながら、サチは智貴を観察。年上の女子と食事をしながら、動揺の見えない彼の落ち着き具合とその見た目から、陰キャのそれではないと看破。むしろ動揺しているのは自分。つるんでいた相手は女子ばかり、思えば男子と二人きりの場面などほとんどなかった。サチはその感情を自覚します。アアアア智サチィィ

 すると、智貴の方から、クラスはどこかと話しかけます。サチが3年4組と答えると、智貴は、いつか姉を訪ねた際に遭遇した様々な怪人物がいないクラスと知って、隣の先輩女子がまともな人であると一安心。どうかな?

 逆に、サチから智貴に、3年の知り合いはいるのか確認。智貴から、年上の女子が何人も家に訪ねてくると聞いたサチ、智貴をヤリチン認定。もこっち並の思考を披露するサチさん、すっかりあなた染まってしまって……もっとやれ


ドキドキ
 改めて、今の状況を確認するサチ。どうやら、智貴の行動をナンパと推測しているようです。何度かナンパにあったサチに言わせれば、智貴のやり口は相当に高度。普通のナンパであれば男子の方からあれこれ話しかけ、女子はそれに警戒心を抱くという状況になりがち。しかし、あえて無駄口を叩かない智貴は、クールを装って女子にミステリアスさと非現実な出会い感を与えている……とのこと。
 サチさん、彼は本当にクールな男でね……というかあなた、思考の迷路に入り込むタイプ? 好き

 智貴のナンパに対するサチの最終的な評価は次の通り。それなりに自己評価が高く、何かのきっかけでぼっちになり、何か見栄やドキドキを与えてくれるものを求めている……そんな女なら落ちる、つまりはナンパに応えてしまうことでしょう。

サチ(じゃん)

 えっもう落ちたこの人……智貴に早速落とされましたよ奥様ぁ! しかし、これは私に言わせれば無理のない話だと思う訳ですよ。友人とケンカ別れして独りぼっちの傷心状態でですよ、目つきの悪いイケメンが現れてですよ、べらべら話しかけるでもなく、ただそばに居てくれる……俺も落ちる(確信)

 サチの自分を表した言葉にも注目。見栄やドキドキを与えてくれる存在というのは、ぜったいにキバ子のことでしょう。異性版のキバ子が現れてしまったので、サチには太刀打ちできませんねこれは……。

 ひとまず思考の答えを見つけたサチ、改めて自身を鑑みるに、キバ子グループ崩壊のきっかけはマキの彼氏への悪口でしたが、今では自分が年下の男子にドキドキしている状態。俺も
 それを知り、サチは「うける」と言います。描かれていた目も引っ込み、智貴との会話も人当たりのいい感じに。これはよそ行きモードに切り替えたとみていいのか、自身の日常の中に智貴という存在を受け入れたものか。

 最後に、サチは空を見上げます。閉塞感に包まれた校舎の間の通路であっても、見方を変えれば青空が見えるもの。「ぼっちもたいしたことない、いつもと景色が違うだけ」と認識を改めます。いままでぼっちを忌避してきたサチが、彼女なりのぼっちに対する答えに辿り着けたのが偉い。智貴との出会いが、この先に待っているキバ子との和解の下敷きになったと思うとちょっと感慨深いですね。

 それにしても、智貴……一つ横のスペースならぼっち飯もできたろうに、意外とグイグイいくな!? ぼっちの少女を見かけ、誰かの姿を重ね、彼なりに何かしてあげたいという気持ちがあったのかもしれません。落ち着く場所からいちいちどくのもどかすのも面倒だったという可能性も無視できませんが、智貴は内外ともに完璧なるイケメンだからな……。

 一方のサチは、智貴の発する蠱惑のオーラでとっくに堕ちました(確定) 男性経験もそこまでないことが分かって魅力がどぼどぼ溢れております。えー、この先、こみさんと絡む可能性も出てきましたね。サチには大損しかないとは思いますが、智貴の心を射んとするならば避けては通れぬ存在です。がんばりましょう(棒読み)
 えっ、キバ子・サチ・智貴・ゆりちゃん・まこっちでのお食事が!? 魔境か? 読みたい


紗弥加参戦!?
 最後は、朱里が久々の登場。智貴と同じクラスで、彼に想いを寄せるちんシスの妹分であります。恋のライバルがまた一人増えました

 この日の朱里は、体調が優れない様子。頭痛腹痛が重なりイライラもしてしまい、休めばよかったと思うほど。
 そこに登場した紗弥加、友人の優れぬ体調に気がつけず、いきなり机を叩きながら、朱里の想い人たる智貴が見知らぬ3年女子(サチ)と一緒にお弁当を食べていたウワサを大声で教えます。
 しかもその3年生、紗弥加に似ているとのこと。たぶん紗弥加はこれ「(髪型が)紗弥加に似てる」と聞いたのを「(顔が)紗弥加に似てる」と脳内変換してますね……。

 脳内変換にて智貴に好意を持たれていると勘違いした紗弥加、頭痛が響く朱里に無意識マウントを実行。「紗弥加に似た女子なら大丈夫」と朱里がバッサリ切り捨てて〆。痛みに耐えてよく頑張った! 智貴まだ蹴色疑惑継続してたのか……紗弥加を追い出さない限り智貴はクラスに帰ってこないぞ……。


智サチ大地に立つ
 和田くんパパ活・アニ(兄)活疑惑やサチ→智貴確定など見所が最後までたっぷりな一話でしたね。
 イチオシはむろん、智貴とサチの邂逅。二人の組み合わせは、私にとっては好物同士のドリームタッグ。それぞれのキャラだけでも好きなのに、それが絡むんですからもう、ワクワクが止まりませんでした。智貴くん! お姉さんに紹介しよう!