わたモテ20巻
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! の感想をしたためていきます。ネタバレしてるので、先に本編を見てね



3人のタバコ


あらすじ
 文化祭に向け、智子と周囲の人々は日々を過ごしていく。


3人で何かしなくても
 扉絵。椅子と机の溜まり場で、なにやら執筆中のもこっち。映画のシナリオでも書いている最中でしょうか? 階段下では、野球部マネらしき女の子と、引退した男子生徒との甘酸っぱいやり取りも。

 本編はオムニバス形式。
 まずは映画プレゼンの翌日、もこっちとゆりちゃんが、二木さんの捜索と映画のアイデア探して学校を徘徊し、自販機の辺りを並んで歩いていると、吉田さんと出くわします。いつもの杏奈さん、麗奈さんはサボリとのことで学校には来ていません。

 もこっち、おもむろに飲み物を買うと、吉田さんとゆりちゃんの間で腰を下ろします。吉田さんももこっちのヤンキー座りに倣って腰を下ろすと、それにゆりちゃんも追随。はたして、3人の女子高生がコンビニ前等にたむろする例の形に。かわいい
 ゆりちゃんがもこっちの行動の意味を問いただすと、もこっちは「ちょっと疲れた」「吉田さんがいるからこうできる」と説明。こう、対応が心強い人がいると強気になれますね。

 話題は吉田さんの飲酒・愛煙歴について。吉田さんは「まったくやらない」(当たり前!)と言いますが、もこっちは大学見学の時の喫煙学生のイメージを引き合いに、吉田さんとゆりちゃんが喫煙している絵を思い浮かべたと言います。ゆりちゃんは将来、一人暮らししてベランダで吸っているイメージなのだとか。
 に、似合う……ちょっぴりこう、すれた感じが。

 さらにもこっちは、20歳を越えてから、3人で吸う提案。タバコの間接チッスだ! エロい!
 吉田さんはいちいち20歳越えてから集まって吸うのはダサいと指摘しますが、もこっちは20歳を過ぎてから吸うアウトロー感を推しています。どっちにしてもダサいとは思うんですがね……最近は電子タバコが主流のようなので、こういう絵は見られない気もしますが。
 ここまで話を聞いていたゆりちゃん、意外と乗り気らしく「吉田さんさえいいなら今からでも」と前のめり。ゆりちゃん吉田さんのこと大好きだよね……。

 さらに、3人は修学旅行で見られなかったAVを飲酒喫煙と同時に見る約束?も。
 ああすごくステキ……こんなダウナーな感じとは言いませんが、もう少し清い感じの友情がずっと続くといいですね。普通の映画でも観てて、ちょっとエッチなシーンになると吉田さん照れたりしてさ、もこっちがそこに茶々入れてさ、ゆりちゃんが控えめにフォローしたりさ……(妄想の虜)

 もこっちがここまで言うのは、最近は3人でいる時間が少なかったから、3人で何かしたいからとのこと。吉田さんは、それを否定せず「ダベっているだけでいいのでは?」と確認します。もこっちとゆりちゃんはそれで良さそう。
 文化祭編において吉田さんはあまり目立ちませんが、ひとつの答えがここにありそう。何かを一緒にしなくても友達です。もこっちとゆりちゃんの話を聞いてくれるだけでも、吉田さんはありがたい存在。吉田さんそれにしてもかっこいい。まこっちになりそう

 もこっちのバカでぐっとくる提案といい、ゆりちゃんの付和雷同的な積極性といい、吉田さんの大人な受けごたえといい、すごく好き。修学旅行編で強く結びついたのは、やはりこの3人なんですよね。将来、飲酒とタバコができる年齢になった時、この3人が集まればやるかもなという悪友感がある。
 ただ、4人だって好きですよ。3人だと足りない真面目な部分を補ってくれる4人目の方も、もしかしたらタバコと飲酒を……ダメみたいですね。


お前の母はわたしだ!
 続いてはもこっちとネモ、ゆりちゃんが廊下でダベり中。
 もこっちが開口一番「男性の男性器を息子と言う」との下ネタをぶっこみます。女子ではぜったいに無い感覚と説明。息子はほら、目に見えて触って元気かどうかわかるし……。

 すると今まで黙っていたネモが一言、「マイ娘(ダァータ)」と明日香に似た感じで発言。マイ息子(サン)に着想を得たものですが、ネモ、意外と乗っかってくれる……!
 それに過敏な反応をしたのがゆりちゃん。ツボに入ったらしく、心で笑っています。もこっちも負けを認める面白さ。ゆりちゃんから塩対応以外の反応を勝ち取ったネモも嬉しそう……そこに、背後からネモに話しかける一人の女子生徒。

明日香「何を私っぽく言ったの?」バッドエンド


雫の文化祭
 今度はゲス清純系後輩こと雫が、いつもの中庭に登場。
 一人のようですが、スマホで誰かと会話中。通話相手の顔は明かされませんが、もこっちとのお昼ご飯のことを知っているようで、雫に何やらお願いが。雫はうろたえながらもそれを承諾。
 雫の通話相手は、もこっちを知っている雫の知り合い。雫に敬語を使う誰か……ふむ? 心当たりは『き』のつく一人しかありませんが、果たして?

 そこにもこっちが登場。雫は、もこっちには通話相手のことを濁します。おそらく、そういったお願いがあってのことでしょうか。
 二人の話題は文化祭の出し物について。雫のクラスは、今日のホームルームで決めるそうです。相変わらずクラスの輪に入れない雫は、出し物についても傍観の姿勢。

 もこっちも1年の頃、文化祭中は校内をうろついていた話をします。思い出すのは、ゆうちゃんや、着ぐるみを着たあの人のこと。
 もこっちは、雫に、自身の出し物を手伝うか提案。自らの過去の境遇から、雫の孤独を理解できるもこっち、またも包容力を見せつけます。マイママ!

 雫も映画参戦とは嬉しい誤算。ビジュアル面の映えはこれで増幅倍! さらにドン! 勝ちですね。
 ただ、かつて雫自身が言ったように、クラスで共通の行事をやって友達を得る、ような機会は失われてしまうわけです。仮に3年の誰かと仲良くなっても、すぐに受験で居なくなってしまうわけなので……まぁ、そういう打算的な理由で動くのもつまらないですから、雫参戦はおおいに歓迎。


バカと天才は紙一重
 もこっちは雫のクラスの出し物についても言及。雫のやりたいことを尋ねると、雫は1年のもこっちのクラスがメイド喫茶をやったことを引き合いに、自身もメイド服を着たいと発言。メイド雫!? いけるやん! なんで見せてくれないの!
 それを聞いたもこっち、メイド喫茶だけでは求心力が弱いと指摘。そこに対するアドバイスとして、男子高校生は基本バカなので「エロ・下ネタ・肉」の情報を混ぜ込み、さらに女子高生も基本バカなので「韓国・流行・激辛」を混ぜ込めば食いついてくれると説明。

 いや、さすがにこれはどうだ……どの単語もメイドと関係が……いやエロはイケるな メイドしゃぶしゃぶ

 時刻は帰りのHR。先輩からのアドバイスを携え、HRに挑む雫は、先輩からのアドバイスをそのまま実行。え? すなわち『インスタ映え確実絶対本番禁止の肉欲(ムキムチ)Kぽ風アイドル激辛メイド喫茶(ドスケベ風)TIKTAK見てね』

 混ぜすぎぃ! 精神状態おかしいよ……こんなの通るわけないだろ! と思っていると、案外クラスでは高評価。もこっちパイセンすげえ!
 さすがに先生が却下するだろ! とツッコミを入れる方が負けです。


オムニバス回
 オムニバス回の前編はもこっち中心のエピソード。もこっち、ゆりちゃん、吉田さんの絡みは嬉しかったです。映画製作の進展自体は遅々としたものですが……二木さん見つからねえのかよ! 時系列的にはキバ子との会話前のことなので仕方ないんですが、さすがに前回の流れを汲んでさっさと合流して欲しかったところ。でも雫はいくら出してくれてもいいのよ

 あるいは、こうした日常の振り返りが映画のシナリオに関わってくる、のかな? 何はともあれ、次回もオムニバスで楽しみなところ。