わたモテ20巻
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! の感想をしたためていきます。ネタバレしてるので、先に本編を見てね



引っ張りだこぼっち


あらすじ
 新学期、智子の3年5組はクラスの席替えを生徒達が自由に選べることに。クラスメイト他の思惑が入り乱れ……。


新学期の席替え
 冒頭。新学期ということで、3年5組は席替えをすることに。受験を迎える3学期は登校が自由になるので、実質最後の席替え。名将萩野がさっそく、みんなで相談して自由に決めていいという名采配。猶予は帰りのHRまで。

 元ぼっちもこっちが、席替えにおいてぼっちがどう振る舞うべきか語ってくれます。ぼっちの選択肢は最後に余ったピースになるか、黒板に近い最前列の不人気席をあえて最初に埋めるか、実質二択。
 しかしもこっちは最後の最後、3年の席替えに間に合いました。彼女は「元」ぼっち。自由に席を選ぶ発言権があるのです。


もこっちの隣争奪戦
 まぁ当然、現リア充だからこそ自由に選ぶ権利があるか、と言われるとまったくの別問題。さっそくゆりちゃんが席替えの第一回選択希望席順を提出。もこっち、ゆりちゃん、まこっちに吉田さんをひと固まりにした、いつもの4人グループのご提案。

 そこにやってきたのがネモ。もこっちの隣になりつつ、岡田さんとも隣になりたいと希望。ネモから近くになりたいと直接ご提案されたゆりちゃんでしたが、まさかの二人挟んでならOKというお言葉。ネモゆりだ! もうネモゆりってことにする!

 事前に明日香からも隣になりたいと言われていたもこっち。そうなれば自身を中心に一人分を空けてインペリアルクロス状態。ハーレム席じゃないかたまげるなぁ……。

 そこに唐突なカットインを果たしたのが、3年4組の内さん。帰ってどうぞ
 何やら言い分があるようなので聞いてみると、ほう、もこっちが後ろの席なら自身が前の席に座り、壁越しに黒木と近距離を保つことができる。某ノブナガよりデカい【円】を使えるうっちーは、半径5メートル以内なら同室に居るのと同じ、キモい気配を感じられるそうです。

こわい

 まぁいじらしいと言えばいじらしい。さらになぜか打線をくみ出す始末。唐突にも過ぎて草生えますわよ……雌猫組の6人にもこっちを組み込み、自身を3番捕手、黒木を4番投手として黒木の正妻となった形の黒木主軸打線ですが、野球を知らないゆえかそもそも頭数が足りません。ゆりちゃんとかどうすか
 打線? というわけでこみさんが会話に乱入。呼んでねえ! 伊藤さん髪だけゆるふわメイク継続でかわいいな!


闇のゲームの始まりだぜえ
 まこっちは吉田さんに席替えを相談。吉田さんはほぼ興味が無い様で、昼寝に夢中。まこっちはゆりちゃんともこっちと相談しつつ決めようとするのですが、そこにキバ子が登場。3年5組において、まこっちはキバ子にとって唯一の友達。まだ決まらないというまこっちに、キバ子は「まさか裏切らないよね?」と不安げに笑い、まこっちのトラウマを刺激。

 したがって、まこっちに与えられたミッションは、もこっちの隣にゆりちゃんとネモ+岡田さんと明日香を配置しつつ、自身を吉田さんとキバ子の隣に配置、かつ、ゆりちゃんとキバ子の距離を極力開ける……という難解な席順パズル。もこっちを中心とする一大派閥の管理は大変。やることが、やることが多い! うっちーが黒木の席後ろにしろってさ

 そうしている間にも他の生徒達によって席はどんどん埋まっていきます。なのでとにかくスピーディーさが求められるのですが、それぞれの希望に自身の欲望と見栄をエッセンスして闇のゲームに挑むまこっちの情熱たるや本物。「壁か窓際がいい」と余計な希望を挟んでくるゆりちゃんを一喝。めちゃめちゃ優しい人が急に見せた厳しさにゆりちゃんはショックで目の光を失う始末。

 そうしたまこっちの苦境を目の当たりにしてのことかは定かでないけれど、二木さんが席に記名しようとしたところに吉田さんが一言、二木さんの隣に自分の名前を書いておいてくれと頼むのでした。な なにぃ~二木×吉田←まこっちぃ~
 必死の計算を無に帰す(自分と隣で無くなるかもしれない)吉田さんの一手に、まこっちは憤慨。二木さんの場所によっては再計算どころか実現不可能になるので、死活問題です。

 ここまで蚊帳の外にいたもこっちは、自身の置かれた立場を冷静に見つめて、やはり不自由だということに気が付くのでした。人間関係のしがらみもしくはまこっちのガチ具合にちょっと引き気味のもこっち。


ぼっちとはこうしたものだったか
 おそらくは昼休み。もこっちは何を思ったか、かつて自分が暗黒時代を過ごした思い出の校内を一人で再探訪。智貴おらんやん!

 そうして辿り着いた場所は図書館。久々の場所で読書していくことにしたもこっちは、そこで後輩の朱里(+こみさん)と遭遇。相手と場所なだけに軽い手のあいさつで済ませ、もこっちは誰も居ない机に座り、読書にいそしむのでした。ちんシスは仲良いね……。
 一連の流れの中で、糸目×ロングのモブコンビが居たり、かつて図書室にいた生徒達が居たり、もこっちが変わったり変わらなかったりしている間に、彼女らもそれぞれの生活を送っていたことがわかります。

 図書室から教室に戻ったもこっちに、明日香が呼びかけます。彼女ももこっちとの隣の席をご希望。しかし、もこっちは素直に自らが抱く希望を述べ……。


クラスを見通せる位置
 かくして、もこっちが記名した場所は、ゆりちゃん、ネモ、明日香の誰とも隣でない、左下隅のいわゆる主人公席。漫画やラノベの主人公にとってありがちな、特別な場所でした。隣がこみさんなんですがそれは……高校最後の席順がこれとか、運命だな!

 わかる範囲で書くと、黒板が前にあるとして、


高沢 田村 根元 岡田
黒木 こみ 伊藤 清田
      和田 鈴木

壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁



 というなかなかの修羅場に。ゆりちゃんがここに居るということは、先に記名したもこっちに追従する形になったんでしょうか。さらに彼女の隣にネモがいるというのも、ネモからゆりちゃんへの大きな矢印を感じさせませんか? 感じない? 感じろ! 和田くん……何気にもこっちまでフリーパスだな?
 結局、もこっちと明日香は離れ離れに。もこっちの希望を尊重したのも彼女でしょうから、納得済みだとは思いたいですね。

 帰りのHRが終わり、さっそくゆりちゃんが恨み節。もこっちの希望を最優先させた形ですから、ゆりちゃんの思惑が思いっきり崩れたので仕様が無いところもあります。もこっちは隣じゃなくても一緒に居るとイケメン回答。

 もこっちがよく座る場所ということで、お気に入りなのか尋ねるネモ。出席番号でよく座ることが多いもこっちは、気兼ねなくスマホを見られるという利点を口にします。この席からクラスを眺めたいという本心を隠しにして。

 ……そう、かつてぼっちだった頃と感じるものはまるで違うはずです。自ら選んだ席から眺める3年5組の様子はきっと違うものがあるはず。誰からも注目されない後ろ向きな理由でなく、前向きな理由。

 ただ、そんなことは恥ずかしくて口には出せません。表向きにはネモが喜びそうな、アニメとラノベ主人公の席という言葉を口にし、ネモが共感して〆。ゆりちゃんちょっと怒ってない?


席替えラプソディー
 あぁ~素敵な回だぜ。ぼっちとリア充のバランスがいい塩梅。しがらみに襲われるまこっちがすごくいい味を出していて面白かったです。
 結局、もこっちはどっちの方が居心地が良いのか? というのは気になります。あまりに人に囲まれるのも、得意ではなさそうなもこっち。いまや人知れずクラスの中心になっている彼女ですが、文化祭においてはネモを主役に影の参謀的なポジションにいるかも……。