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カテゴリ的にはカードゲームですが、まま紹介。いろいろバージョンがあるようですが、和風のものを紹介。
実にいいゲーム!

プレイ人数:2~4人
プレイ時間:5~10分
対象年齢:10歳以上

ストーリー
 昔々、地方の山奥に小さな山城があり、そこを治めていた大名には一人の美しい姫がおりました。その姫をたいそう可愛がっていた大名は、各地から申し込まれる縁談に耳を貸そうとしませんでした。

 そんなとき、身分も立場も異なる若者たちが、姫の噂を聞きつけて城下を訪れました。彼らは自らの想いを恋文に込め、それを城に仕える者たちに託すことにしました。果たして見事恋文を届け、姫に対面する機会を得られるのは誰でしょうか?


基本の流れ

ゲームの準備
1.ゲームカード16枚をひとまとめにしてよくシャッフルし、裏向きに置く。これを「山札」と呼ぶ。
2.山札の上から1枚のカードを、裏向きのまま横に避ける。このカードはそのゲームでは使用しない。(2人で遊ぶ場合はこれとは別にさらに3枚のカードを山札の上からめくって公開しておき、推理のヒントにする)
3.各プレイヤーは山札から1枚のカードを引き、手札とする。手札は他のプレイヤーに内容がわからないようにする。
4.最後に、じゃんけんなどで最初に手番を行うプレイヤーを決める。


ゲームの手順
 手番が回ってきたプレイヤーは、山札の上から1枚引いて手札に加える。その後、2枚になった手札から1枚を選び、場に出す。
 このとき、能力に「使用:」と書かれたカードを出した場合、その効果を適用する(必ず使用する。使用:と書かれていないカードの場合、出したときには何の効果も無い)。

 その後、出したカードは捨て札とし、自分の前に出した順番が分かるように、表向きで並べておく。これらは他のプレイヤーが、あなたの手札を推理するヒントになる。
カードの効果を適用し、出したカードを捨て札にしたら、手番終了。次は左隣のプレイヤーが手番を行い、ゲーム終了まで続ける。

 このゲームでは、カードの効果などによってプレイヤーがゲームから脱落することがある。その場合、脱落したプレイヤーは必ず手札を公開し、捨て札に加える。

ゲームの終了
1.山札が無くなった時(いずれかのプレイヤーが、最後のカードを引いた手番を行ったら終了)
 ゲームに残っているプレイヤー全員が手札を公開し、その中でカードの強さが最も大きかったプレイヤーが勝者となる。強さが同じ場合は引き分け。

2.1人を除く全プレイヤーがゲームから脱落した時
 最後まで残ったプレイヤーが勝者となる。


基本の8種類のカードたち
 強さも能力もそれぞれな計16枚のカードたちをご紹介。まずはこれらのカードでゲームのルールに慣れていこう。
 各プレイヤーには早見表というものがあり、これを見ればどんなカードか一目でわかるようになっている。初心者でも安心!

姫(1枚)
強さ:8
能力:このカードを捨て札にしたら、あなたは脱落する。

 うら若きお姫様。このゲームの目標的存在だけあって、強さは全カード中最強。しかし、能力が曲者。このカードが手札にある場合、デッキから引いたカードを必ず捨て札として切る必要があるのだ。別カードの効果で捨て札にされてしまったら、その場で脱落してしまう。何とか彼女を守り切り、恋を実らせよう。

家老(1枚)
強さ:7
能力:手札の合計が12以上なら、あなたは脱落する。

 頑固な家老。強さは姫に次ぐ7だが、山札から5以上の強さのカードを引いた瞬間脱落が確定してしまう諸刃の剣。捨て札などの状況を鑑み、できることなら手札に保持しておく時間は少なくしておきたい。

侍(1枚)
強さ:6
能力:(使用)他のプレイヤーを一人選び、手札を交換する。

 甲冑武者。強さはなかなかの6。能力の使い勝手が良く、特定のカードを押し付けてゲームを主導的に進めることができる。ただ、このカード自体も強いので、使いどころは難しい。

陰陽師(2枚)
強さ:5
能力:(使用)プレイヤーを一人選ぶ(自身も可)。その人は手札を捨て札にし、山札から1枚引いて手札にする。

 オカルトチックな存在。能力は自身を含むプレイヤーの手札入れ替え。手札に姫を持っているプレイヤーなら脱落、自身のカードがあまり役に立たなそうなら捨てて入れ替える戦略もできる攻防一体のカード。

巫女(2枚)
強さ:4
能力:(使用)あなたの次の手番が来るまで、あなたへの(使用)効果は無効となる。

 守備力に優れる奇麗な巫女様。これを使っておけば、諸々のカード効果から身を守ることができる。1ターンという短い時間だが、不意に脱落があり得るこのゲームにおいては心の清涼剤的存在。もう巫女様でいいんじゃないかな……。

浪人(2枚)
強さ:3
能力:(使用)他のプレイヤーを一人選び、ひそかに互いの手札の強さを比べる。強さの小さい方は脱落する。

 無頼の浪人。浪人らしく息巻いているだけとあって強さも控えめだが、仕官を志すらしい能力。他人の力でのし上がれ! もちろん、目をつけた御仁の力であっても負けてしまうこともあり得る。
 この能力、仮に強さ比べで勝ち残ることになっても、他のプレイヤーに情報を与えてしまう。例えば、家老カードを持っていたプレイヤーが脱落してしまえば、必然的に手札のカードが姫とバレ、即脱落の危険性を伴う。浪人の口車に乗るべきではない場合だってある。まぁ、姫が手札にあれば使わざるを得ないのだが……。

忍び(2枚)
強さ:2
能力:(使用)他のプレイヤーを一人選び、ひそかにその手札を見る。

 露出も強さもごく控えめなくのいち。他のプレイヤーの手札情報を確認できる。ただ、このゲームの手札の入れ替えが激しい性質上、情報の賞味期限があっという間に切れてしまう点には注意。姫とわかれば対処の仕様があるが、見られた側はすぐに捨て札にするのが普通。

女中(5枚)
強さ:1
能力:(使用)他のプレイヤーを一人選ぶ。「女中」以外のカード名を1つ言い、手札を当てたらその人は脱落する。

 他人の恋文を始末するやり手。能力はまさに言葉のナイフ、女中以外のカード名をいい当てると他プレイヤーを脱落させられる。捨て札の状況を把握できる後半ほどその攻撃力は増していくが、強さは最低クラスなので保持していても浪人などの餌食になりやすい。


4種類の追加カード
 基本ルールが把握できたら、新たなカードで組み換えにもチャレンジ。追加したり差し替えたりしてオリジナルデッキでさらにゲームを楽しもう。

若殿(1枚)
強さ:8
能力:このカードを捨て札にしたら、あなたは脱落する。

 姫と同じ強さ・能力を持った、いわば男性版の姫。若い男性が好きな有志が集まった場合は、姫様と差し替えるとムード〇、モチベ向上は間違いなし。イラストのタッチは各自ご確認くださいませ。説明書の設定によると次男坊。
 姫と共存させるなら、家老の凶悪さが増す点には注意。

御目付(1枚)
強さ:7
能力:手札の強さの合計が12以上なら、あなたはこのカードを場に出さなければならない。

 一撃脱落の家老が厳し過ぎるので、マイルド版と言ったところか。能力の性質上、浪人と同じく他プレイヤーに情報がいきわたりやすい。ただ、強さの合計が12以上でなくとも捨て札にできる点に注目。ブラフ的に扱えることがあるかもしれない。

代筆屋(1枚)
強さ:0
能力:このカードがあなたの捨て札置き場にあるなら、ゲーム終了時の手札の強さに2を加える。

 恋文の代筆を担当する男。その能力は終盤、カードの強さを比べる時に発揮され、相手が姫や若殿であろうと勝つチャンスがある。
 しかし、最後に強くなると言うことは、優先して狙われやすいということでもある。保持していても弱っちいので、面倒なカードかもしれない。

妖狐(1枚)
強さ:?(直前の捨て札と同じ。ない場合は0)
能力:このカードは、あなたの直前の捨て札と同じ内容になる。

 ニッチなニーズに応えた幼キツネ妖怪。設定も読み込むとあなたのアイドルになり得るかも。
 いわゆるコピーカードだが、直前の捨て札を参考にするので自由な使い道とは言えない。強さが?ということだが、この強さも直前の捨て札を参考にする。巫女なら4、といった具合。捨て札がなければ0な点には注意。仮に直前の捨て札が強さ5以上のカードで、家老を引いた場合は12以上で脱落となってしまう点にも要注意。


シンプルな中に読み合いが火花散る
 ルールが秀逸で扱う手札は最大2枚とシンプル、運も読みも絡んで取っつきやすく、1ラウンドも5分程度で終わるお手軽感とあって、空き時間に最適。値段も1,000円ちょっととお手頃、今のご時世ならご家庭での暇つぶしには最適でなかろうか。