わたモテ17巻
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! の感想をしたためていきます。

海辺の勉強会


あらすじ
 一学期最後の授業が終わり、夏休みに入った智子。ゆりと一緒に下校しようとした時、ネモから連絡を受け、岡田さんも含めた4人で海辺に向かうことになり……。


明日から夏休み
 7月19日。学校は終業式を終え、生徒たちは夏休みに突入。3年のみんなも受験が控えている状況ながら、長期休暇にウキウキ。二木さんは男子グループと共にゲーセンへ向かう感じの話題。雌猫組も笑顔です。このコマ、左手前の二人は誰だっけかな……? と思ったら、初期の2巻とかに出ていたキャラのようです。

 KAHOと連れ立って帰る加藤さん、もこっちに「夏休み中に指示した課題やっとけよ(意訳)」とチクリ。喪164のラストから、やはり締め付ける方向の教育方針にした模様です。

 いっぽう、まこっちは吉田さんと約束しているので先に帰る模様。ゆりちゃんが約束について尋ねると、なぜか言葉を濁しつつ進路のことと説明。ほんとぉ?

 かくしてもこっちとゆりちゃんは二人で下校することに。そこに、ネモから連絡が。呼び出されたバス停に向かうと、そこにはネモと岡田さんの姿が。ネモ、夏休みといえば、ということでもこっちとゆりちゃんを誘ったようです。その行先とは……?


海辺での勉強会
 学校前からバスで10分の場所は、目の前に水平線が広がる海辺という抜群のロケーション。岡田さん、去年も来たとのことで、ネモや清田くん辺りと訪ねた場所なのでしょう。

 事前の説明が無かったのが不満げなゆりちゃん、「目指してる大学のレベルが違うから遊んでる暇ねえんだよ(意訳)」と先制攻撃。彼女の押しの強さに慣れてきたらしいネモ、「青学も森永もそんなに変わんねーだろ(意訳)」と反撃しつつ、遊びに来たわけでないと説明。普通に勉強してもつまらない、というわけで海辺の屋根付きの休憩所というか机付きのベンチで、しばしの勉強会を提案。ゆりネモ!

 いや、この展開は素直に嬉しい。受験勉強という建前と海回を提供するネモはよぉ、本当に読者心を分かっていらっしゃる。読者が求めていたものを提示してくれるまさに天使と言い切ってもいいでしょう。

 というわけで海辺の勉強会が始まります。ただ、屋根しかないその場所は潮風が直に吹きつけ、ノートをぱらぱらと巻き上げたりちぎったりします。しかも夏なので汗でべたつく腕にノートが張り付くイヤな感じ。明らかにいら立つゆりちゃん、図書室でも勉強できる、クーラーでも夏を感じられると独り言のようなネモへの口撃。

 しかしネモ、耳を澄ますように優しく提案。聞こえてくる波の音にはアルファ波的なものがあり、集中力が増してストレスも緩和されると理論武装を展開。納得のいかないゆりちゃんは「波の音をスマホで流せよ」と追及しますが、ネモは「生の音だからいいのだ」と譲りません。

 そこでゆりちゃん、もこっちに援護射撃を頼まんがごとく話を向けますが、もこっちは海辺の勉強に意外と乗り気。青春感を覚えたい、というのは最近のもこっちのトレンドなのです。自分の意見に賛同してくれなかったことに不満げなゆりちゃん、長めの相槌。カワイイ

 援軍を得たネモ、がぜん強気になり「文句言ってるのお前だけだぞ」的煽り。ゆりちゃんも負けじと「勝手にやるからだ」と反論。
 そんな意地の張り合いの最中、岡田さんが口をはさみます。

岡田さん「田村って凄いしゃべる奴なんだな」

 その一言で陰キャゆりちゃんは一気に意気消沈。普段喋らないタイプがわざわざ指摘されると勢いがなくなるのは必然です。このコマ本当にカワイイっすね。陰キャもこっち、根っこは陰キャ寄りのネモも、突如として陽キャ岡田さんに絡まれたゆりちゃんに同情的。岡田さん自体に悪気は無く、本当に感心しているだけなので、誰も救われません。手心


当たり前のこと
 いたたまれなくなったのか、飲み物を買いに行くと言い出すゆりちゃん。ネモもそれに付き合う形で買い物へ。ここ、次のコマではもう飲み物が揃っています。もこっちと岡田さんが二人で残っても、特にイベントとして描かれないのが、二人がすでに友人関係を築いている何よりの証明ではないでしょうか(深読み)。描いてくれてもいいのよ いや待てよ、ゆりちゃんとネモの様子も描かれていないということはつまり二人がすでに(略)

 ここで、ネモがスマホを操作します。彼女のスマホから響く波の音。そう、先ほどゆりちゃんが指摘した内容の反論は、生の音だからいい、だったはず。主張が台無しになる行動に、さすがのゆりちゃんもツッコミ。ネモは悪びれもせず波の音が小さいから追い波と笑います。それに乗っかったのがもこっち、どうせならと夏の音をさらに追加してみます。

 追加したのはもこっちだけでなく、岡田さんとゆりちゃんも。波音、蝉の音、鳥の鳴き声、ししおどし、とにかく夏っぽいと思われる環境音をぶちこんだ結果、とりとめのない状況に。
 さすがに岡田さんが「いやうるせえよ」とツッコミ。笑うネモもカワイイですが、嬉しそうに岡田さんに笑顔を向けるもこっちが本当に微笑ましい。岡田さんくらい適切にツッコミを入れてくれると、もこっちのボケも輝くというもの。このコマすごく青春でだいすき!

 その状況に、寡黙なゆりちゃんも微笑みを浮かべます。それを見つけてしまった岡田さん、またも物珍しいものを見たせいでわざわざ声に出して指摘したうえ、笑顔でネモに教えてくれる陽キャムーブ。がっくり肩を落とすゆりちゃんが不憫でカワイイ。岡ゆりええやん!

 環境音をハワイアン的な音楽に絞り、勉強は続きます。ここでネモが、夏休みだから学校にいかなくていいのは気が楽だと言います。それに賛同する岡田さんを見て、もこっちは「え?」と意外そうな一言。岡田さんがどういう意味なのか聞き返すと、もこっちは素直に岡田さんは学校が楽しみでたまらない人(=陽キャ)だと思っていたと釈明。岡田さん、休みなら休みの方がいいと断言。休みなら仲のいい人だけで勉強できるうえ、面倒くさいことが多い、とつぶやくように言います。

 岡田さんの七夕での願いは【毎日楽しく過ごす】でした。単純に考えれば、過去のネモと仲たがいしかけた件のことでしょうが、岡田さんも何かしらの事情を抱えているのでしょうか? キバ子関係は別に気にしている様子も無さそう。

 陽キャを一方的に呪っていたかつてのもこっちでは知りえなかった、陽キャとされる人々の苦労。当たり前に誰もが抱える悩みに今更気づくもこっちも、着実に成長しています。


波打ち際の4人の写真
 その時、ネモが「暑い!」と立ち上がります。湿っぽい話題になったことを察したか、ネモ自身も続けて欲しくない話題だったのか。ともかく休憩を宣言し、海に入ることを提案。

 裸足で海に足を踏み入れるネモ、岡田さん、もこっちの3人。ゆりちゃんだけ波打ち際でお留守番。ネモが明るく呼び込みますが、頑なゆりちゃんは固辞。仲良くなりそうでなりませんねぇ、いい!

 ネモはアニメ的なやり取りの海の水の掛け合いを期待したのか、もこっちに生臭い液体海水をすくってかけます。ところがもこっち、「汚ね!」とリアル拒否。傷つくネモがかわいい。

 ネモ、うみんちゅになろうとしないゆりちゃんを誘って4人で写真が撮りたい様子、自分がダメならもこっちに、ということで頼みます。ここ、ゆりちゃんも仲間外れにしないようにでしょうかね。

 もこっちはゆりちゃんを呼び込むべく、足のさきっちょだけという条件で海に踏み入れることを提案。さきっちょを強調し、最後まではいかなくていいなどと意味深発言を連発。まずいですよ! さすがに露骨なセクハラ発言ではゆりちゃんも怒ってしまうでしょう。ネモも呆れて

ゆり「智子がそう言うなら……」

衝撃

 かくして裸足になったゆりちゃん、砂浜に流れ着いた海藻を素足でもてあそびます。
 念願叶ったネモ、4人でスマホの写真を撮るべく浅瀬で密着。もこっちとゆりちゃんをさらに近づけようと呼び込みますが、ゆりちゃんとネモの足が不意に衝突。バランスを崩したネモとゆりちゃん、とっさにゆりちゃんの腰に腕を回すもこっち。かつてきーちゃんが倒れそうになった時も支えてましたが、根の優しさが出るのいいですね。

 ただ、もこっちの細腕で二人分の体重を支えるには酷な話。ネモとゆりちゃんは浅瀬に倒れ込み、もこっちも一緒に倒れて全身ずぶ濡れに。ネモとゆりちゃんがエッチすぎるひとコマ。まさに水も滴るいい女。
 文句を言うゆりちゃんを軽くスルーしたネモ、濡れてしまえばみな一緒、ということで唯一倒れずに済んだ岡田さんを水の中に誘い、写真撮影を実行。

 それから夕暮れの時間になっても、4人の制服は未だに乾いていません。ゆりちゃんとネモの小競り合いが展開される中、岡田さんに連絡が。なんと原幕の野球部が勝ち上がり、明日の応援に3年生が駆り出されることになりました。

 かくして4人は、海水を吸収した制服を今日中に何とかして応援に向かわなければならなくなる羽目に。海辺の勉強会の発案者に小言をいうゆりちゃんを「楽しかったからいいだろ!」と発案者ネモが強めに押し切り、〆。スマホには、4人で撮った写真が思い出の一つとして残ったのでした。
 はい、楽しかったからいいです! 最後の写真最高や!


ネモに感謝(3位並のコメント)
 ネモはん……なんちゅう神回のきっかけを作ってくれたんや……というくらいツボに入った回でした。アニメっぽいことをやりたくてごり押しするネモといい、基本的に反ネモ派でも仲はぜんぜん悪くないゆりちゃんといい、そのゆりちゃんに特攻を持つ岡田さんといい、岡田さんにツッコミを貰って嬉しそうなもこっちといい、相性の良さ悪さ、意地の張り合いに気まずさも添えて実にバランスがいい。

 ネモゆりだしもこゆりだしネモクロだし岡もこだし岡ゆりもちょっとあったりむろんネモ岡だったりあぁぁぁぁぁぁいい! こういうのでいいんだ! いいんだって!

やったぜ。