わたモテ15巻
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! の感想をしたためていきます。

ヤンキー組とポテンシャル


あらすじ
 中間テスト期間、受験で勉強しなくてもいい教科が集中した日があったもこっちは、ぼっちでの放課後を満喫することになり……。


中間テスト初日の終わり
 扉絵は中間テストの真っ最中。この先生には見覚えが……もこっちの1年の時の担任ですね。

 初日が終わり、英語のテストの出来について話し合う清田くんと和田くん。清田くんの「ぜんぜんできなかった」発言は信用してもいいものか迷います。こういう発言をする奴はたいていメチャクチャ頑張ってたものです。彼のことだから裏は無いと思うんですが。
 もこっちも加藤さんとテストの出来について言葉を交わします。もこっちは最近勉強する機会が多かったおかげか、思ったよりもできた実感がある様子。

 中間テストは一日目が終わったばかり。学校自体は午前中で終わりなので、生徒は下校し始めます。バスで帰宅するまこっちを見送るネモ、ゆりちゃん、もこっち。バスの待機列にこみさんがいるのはちょっとしたファンサービスですね。まこっちとこみさんに面識は無さそうです。学食で醜態を晒した以来でしょうか。
 さぁ下校するメンツは、もこっち、ゆりちゃん、ネモ、岡田さんに加藤さん。本当に大所帯になりました。うきうきネモがばつぐんにカワイイ一コマ


久々のぼっち
 ここで、もこっちがみんなから離れて本屋に寄り道をすることに。付き合うという誰かの提案も断り、自ら単独行動を選びます。本屋でラノベを買い、ワクドナルドへ。愛想のいい女性店員にどもりながらもチーズバーガーセットを注文したもこっち、一人で席につきます。注文の仕方が陰キャ丸出しですが、落ち着いてきましたね

 ようやくもこっちの真意が明かされます。最近は一人でいることが多かったもこっち、たまの一人の時間を満喫したいようです。中間テスト期間なので他の生徒はたいてい勉強中、さらに翌日のテスト二日目はもこっちが受験で捨てる予定の数学と生物。となれば、ぼっちの外遊びには最適ということに。
 ……いいんですけど、三日目の科目を勉強するせっかくの機会、とはならないんですかね? 三日目の科目が大事でないにせよ、高校三年生。大事な時期には違いないんですが。

過酷

 受験に向けて勉強の意識がまだ本格化できない様子。まぁもこっちらしいと言えばそれまでなんですが。ママにバレたら怒られるぞ

 ともあれ一日を潰すことにしたもこっち、腹を満たしてから暇を潰す手段を考えることに。もぐもぐもこっちは蠱惑されてもしようがないと言えるほど魅力がありますね。うっちーいなくて良かったね みんなで食べるご飯とそれほど味が変わらないと一人ごちるもこっち、左手にラノベ本を持って器用に食べています。ママに怒られ

 食事を終え、ラノベに集中するもこっち。すると、二つ隣の机から何やら黄色い声が。かつて同じクラスだった委員長が、友人達と勉強会の最中でした。わいわい盛り上がっている様子なので、集中しているとはいいがたいですが。
 もこっち、委員長と目が合います。しかし委員長はこれをスルー、すぐに会話に熱中します。

 店を出たもこっち、案外しょんぼり。
 実際、そこまで落ち込むほどかな? とは思いました。もともと仲良くなかったじゃん、というのが正直なところ。最近友達に囲まれていたせいか、不意に襲い来る過去の残像にやられた感じでしょうか。好意的な場所から外に出るとしんどいのはわかるんですけどね。


ゲームセンターを散策
 もこっちは観ようとしていた映画をやめ、ゲーセンに向かいます。映画代をつぎ込むことに決め、手ごろなゲームを物色中、ダンスゲームにいそしむ同級生を発見。そう、高いポテンシャルを発揮し続けるあの絵文字Mk-2さんです。ふんわりと浮いたスカートがエッチ
 あまり他人のことは言えませんが、テスト期間中、ゲーセンで目立つタイプのゲームを単独で敢行する胆力を見せています。地肩が違いますね。

 もこっち、ひとしきり感嘆した後再びゲーム探しに。するとパチンココーナーに見慣れた人、吉田さんです。友人のB(杏奈)とC(麗奈)も一緒で、二人はレースゲームに興じています。
 コンドムvsガンガルマキシマムという1プレイ50円の謎のゲームをプレイすることに。ガンガルってあったなぁ。

 しばらくした後、ゲームをクリアしたもこっちは休憩することに。その道すがら、ポテンシャルさんを中心に人だかりが。なんと格ゲー16連勝を記録! もこっち、騎馬戦の活躍をフロックではなく実力と認識を新たに。


ヤンキー組と二木さん
 休憩所で飲み物を買って手近な椅子に座ったもこっち、目の前にヤンキー組が集結していることに気が付かなかった様子。杏奈さんがもこっちを見つけ、声を掛けます。そこを通りかかったのが、同じく休憩しに来たらしいポテンシャルさん。杏奈さんは彼女を呼びつけ、交流を図ります。
 ここでポテンシャルさんのお名前が「二木四季」だと判明。素敵なお名前ですが、苗字ありきじゃない? と思わなくもない。しかし音の響きがバツグンに良いですね。

 杏奈さん、もこっちと二木さんに、自身のことは棚に上げ「テスト期間中に遊んでてバカじゃねーの(辛辣)」と直球を投げつけます。杏奈さんは吉田さんと麗奈さんの付き合いとのことですが、進路は決まってるんでしょうか?

 二木さん、「学年99位」と発言。1学年10組まである高校なので、計300名と仮定しても、上位100位以内というのはなかなか優秀です。しかもこの順位はもこっちより上。高い実力がうかがえます。負けん気を見せるもこっち、「まんなか(よりちょい下)」と虚偽申告。杏奈さんは「茉咲やあたしとそんな変わんねーな」と軽く発言。えっ、意外……(失礼) 実際もこっちの発言を勘定に入れると、むしろもこっちより上の感じです。
 インテリヤンキーの台頭を嘆くもこっち、勝手に得意科目に絞って学年30位を達成。それでいいのか

 杏奈さんはテスト期間中でも遊ぶ二人を見て安堵しています。というのも、やはり受験が控えているためクラス中がピリついてしまっているから。麗奈さんはそもそも学校にすら来ないようですが、この高校に通ってるってことは学力はそれなりに高かったはず。
 その麗奈さん、進路を専門学校に決めているようで、受験ムードとは無縁。そもそも卒業さえ怪しいとツッコまれています。麗奈さんだけずば抜けてヤンキーじゃない?

 杏奈さんはもこっちと二木さんの進路に言及。二木さん、なんと「進学はする。夢はプロゲーマー」とまっすぐに言ってのけます。「eスポーツ?」と尋ねるもこっちに、「ゲームならなんでもいいし、ゲームを仕事にできればいい、配信とか」と堂々たる宣言をする二木さん。
 実際、それだけのポテンシャルを秘めていそうな感じ。日本ではまだまだ市民権を得られていない分野ですが、彼女ならやり遂げると思わせてくれるほどの心強さです。

 麗奈さん、「ゲームならなんでもいいって言ったよね?(意訳)」というわけで、二人を麻雀に誘います。普段の3人ではメンツがそろわなかったようで、自然に賭け麻雀を提案。
 その結果、杏奈さん1位、吉田さん2位、もこっち3位、麗奈さん4位、そして二木さん5位ということに。最下位の二木さんがトップの杏奈さんにアイスを奢ることになりました。運の絡むゲームが苦手らしい二木さん、しょっぱな杏奈さんに倍満直撃を喰らった模様。杏奈さん豪運説あるで

 この日は冒頭からぼっち遊びを満喫するはずだったもこっち、結局ヤンキー組+二木さんと遊んでしまいましたが、楽しめた様子です。そんな彼女に吉田さんが「今日はあいつら(ゆりちゃん、まこっち、ネモ)と一緒じゃないのな」と声を掛けます。受験モードの3人を慮って一人で来たというもこっちに、ヤンキー組が今のところ暇だということ、いつでも遊び相手になってくれることを伝えてくれました。もこっちも受験でしょ

 最近は吉田さんとの絡みも少なくなってきましたが、さすがに長い付き合いだけあって、もこっちを心配してくれたようです。友達に囲まれているのが普通という認識になっているんでしょうね。


夕暮れのぼっち鳥
 ラスト、一人で帰路につくもこっち。夕暮れの空を飛ぶ鳥の群れを見ながら、高校生活前半で得たぼっちでも生きられる強さを、ここ数か月の立場の急変で無くしてしまいそうな自身に気が付きます。また、それ以上のものを手に入れた事実も。
 ここ、電柱を境に一羽だけ群れから遅れて飛んでいますが、この一羽がもこっちだとすると、電柱の影を超えた=もこっちが集団生活に紛れていくという暗喩でしょうか。

 普段の友人達、委員長というかつての自分を教えられる存在、ぼっちの立場に傾ききれない自分。思いはいろいろあるんでしょうけど、日常を送るもこっちが自身の立ち位置を再確認した話だったように思います。かつてのぼっちには戻れないし、戻る強さは無くなったけれど、新たに得た友達はかけがえのないもの。これからも大切にしてください。

 穿った見方をしてみましょう。作品的に言うと、独りぼっちの女の子・もこっちを中心にしていた作風には期待しないで、って回でしょうか。まぁ今更ぜんぶリセットされてぼっち路線に戻られたって、こっちが困ります。ゆりネモが自然に名前を呼び合う仲になるまで私は何度でも蘇るからな……!

 ポテンシャルさんこと二木さんの夢といい、受験に対し前向きになり切れないもこっちといい、自然体のヤンキー組といい、女子高生たちの日常はそれぞれ。みんなには納得できる青春を謳歌して欲しいものですね。なんかオジサンみたくなってしまった いつもか





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