わたモテ15巻
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! の感想をしたためていきます。

久しぶりに中学同級生3人での勉強会


あらすじ
 智子とゆうちゃん、こみさんは智子の家で勉強会を開く。智子の近況を聞き、昔の智子を知るゆうちゃんは嬉しくもあり……。


勉強会を開始する
 もこっちの家を訪れるゆうちゃんとこみさん。非常にパンクなスタイルのこみさん。肩を露出した猫耳ドクロのタンクトップに、首にはチョーカー……いつも通りだな! ゆうちゃんのお胸がぱつぱつ
 ゆうちゃんはもこっちにお土産を渡します。それを受け取ったもこっち、こみさんをじっと見つめます。その視線を催促の意味に感じたか、こみさんが「お土産無い」と言うと、「そんなもん持ってきたら普通の人間性があるとみなさなきゃいけなくなるだろ」と強烈な暴言をお見舞い。仲いいね!

 3人はもこっちの部屋へ。勉強会ということで、もこっちの部屋の机を3人+1人形で囲みます。ぬいぐるみくんに飲み物まで用意したのはもこっちかゆうちゃんでしょうか。カワイイなぁおい


勉強会ってなんだよ
 各々の勉強に励む三人。がむしゃらに頑張る表現か、ゆうちゃんだけ汗のマークが。
 勉強会というそのものに慣れていないもこっち、ゆうちゃんに素直に勉強会というものの在り方について尋ねます。
 ゆうちゃんは自身が通う高校の同級生との勉強会の様子を教えてくれました。ファミレスでの勉強風景が描かれています。机の真ん中に鎮座する山盛りポテト、和気あいあいとした空気です。……ゆうちゃんの友達が知れたのはいいんですが、勉強に集中している雰囲気でないのは明らか。カワイイからいいか


お前は何を言っているんだ
 続いてこみさんが自身の勉強風景を明かします。スカイプで伊藤さんと連絡をつなぎ、互いに人目がある状態で勉強に臨みます。たしかにこれなら、サボりたくてもサボれないという状況になり、とっさの逃げ場が無くなるのはいいことではないでしょうか。勉強会ってそういうものだし……。

 勉強中の伊藤さん、無言で勉強しているはずのこみさんが何か声を発していることに気が付きます。ロッテマリーンズ中村省吾選手の応援ソングでした。伊藤さん、これをスルー。勉強を続けますが……次にこみさんが発した言葉は

コオロギ「智貴くんの眼球と隈をなめたい

 伊藤さんもこれにはドン引き。集中線エフェクト迫真の演出で、ノートパソコンの画面いっぱいに引いてます。

 この異常事態についてこみさんは「一緒に勉強する友達に鼻歌とか独り言とか聞かれて恥ずかしいこともある」で済ませます。
 それを聞いたゆうちゃん、こみさんを長時間見守ることができる友人を称賛。この棘のない嫌味というのが絶妙の塩梅。こみさんは何となく意味深なものを察知しますが、相手がゆうちゃんということもあり追及はできない様子。

 もこっちは勉強会というものを互いの監視下での勉強と理解し、教え合うことではないと納得。「理系の科目はしなくていいし」という言葉にゆうちゃんが反応します。どうやら受験の科目が志望校によって異なることを知らなかったらしく、目から生気を失います。エッチですね
 環境の違いということもありますが、受験に関係のない教科に時間を割いていた事実はなかなかにショック。周囲に教えてくれる先生やら友達はいなかったものか……。


やきうの時間
 勉強は続き、午後2時。相変わらず暗い目をしたゆうちゃんと、若干集中力を欠いてきたらしい表情のもこっち、涼しい顔のこみさんと三者三様。

 その日、ロッテマリーンズの試合があることを思い出したこみさんは、スマホでyahoo速報と思われる一球速報を確認。やきう民の鑑 ロッテの攻撃中→チャンスっぽい→気になって画面確認→満塁! という細かい描写を経てテレビの中継映像で確認。こみさん、口では悲観的ですが、画面から目は離しません。満塁のチャンスに臨むロッテの攻撃はいかに? 『見逃し三振! チェンジ!』 知ってた はい せめて振って?

 ちなみに、筆者の場合は贔屓の満塁チャンスなら、チームが勝っていない限りすべての情報を遮断するでしょう。見ていたらなんか、プレーに影響する気がするので……クソザコメンタル


友達の友達
 ゆうちゃん、もこっちの部屋のカレンダーに目をやります。GWの日付の下に記された名前は、田村さん、ネモ、加藤さん……ゆりちゃん以外、ゆうちゃんには聞き覚えのない名前です。
 ここで時刻は午後3時。ゆうちゃんのお土産のケーキを皆で食べるため、もこっちは一旦席を外します。

 ゆうちゃん、もこっちの友達だと信じているこみさんに、ネモさんと加藤さんについて尋ねます。もこっちの友達ならこみさんの友達と思ったものと考えられます。こみさんは二人に関してほぼ接点が無く、知っている範囲で回答。ネモは声優を目指していて派手な髪形、加藤さんはギャルっぽいという印象を語ります。さらにおとといのきーちゃんを伴った学校見学において登場したブ……平沢雫についても言及。
 ゆうちゃんは最近友人の増えたもこっちに対し、思うところがあるようで……。

 ゆうちゃん持参のケーキでしばしの休憩。このコマ微笑ましくて好き
 休憩ついでに、3人でテレビゲーム(みんなのGOLF)に興じることに。もこっちは持ち主ということもあって、負けたら罰ゲームと提案。ゆうちゃんには一揉み、こみさんには負けたら即出禁という厳しいにも程がある内容。
 もこっちは将来の希望について、女子プロゴルファーかeゲーマーになりたい、と淡い夢を話します。気安くツッコむこみさん……ツッコミがいてこそ、もこっちのボケが光るというもの。友達ですね。


変わるもこっち
 外は少しずつ暗くなってきました。勉強会は続いていますが、もこっちは上半身を机に預けてだらけモード。長時間の勉強が堪えている様子。
 ここで、隣の智貴の部屋から扉の閉まる音が。部活から智貴が帰宅したことを知り、こみさんはコオロギさんへと変貌。智貴と同じ家に存在→同じ家に旅(ドライブ)家族と脳内既成事実を達成。独特な言語センスに読者も顔をしかめます。
 この異常思考を敏感に察知したもこっち、勉強会のお開きを宣言。あまり遅くなってもいけないので、グッドタイミングでしょう。

 帰路に就くゆうちゃんとこみさんを途中まで送っていくもこっち。その道すがら、ゆうちゃんに見せたいものがある、ということで公園に立ち寄ります。
 もこっちにとって知り合いの猫。かつて孤独だった時代に実行した頭ポンポン作戦を最後に実らせてくれた人懐っこい野良猫です。

 猫と遊びながら、もこっちは最近身の回りで起きた友人の話を語ります。吉田さんについて話していますが、時系列順に話すと、もこっちをいじめているようにしか感じられないのは、ゆうちゃんと読者には認識の差があります。
 「吉田さんと友達なの?」というゆうちゃんの疑問に対し、もこっちは「どうだろう?」と回答。一緒に帰ったりする段階で結構な仲良しだとは思いますが、もこっち自身は未だその確信が無い様子。


て、天使……
 場面はもこっちと別れて帰宅するゆうちゃんとこみさんに。
 ゆうちゃんは、こみさんと伊藤さんの勉強会への参加を希望します。もこっちの友達を想い、もこっちとは勉強をせず、こみさん達の集まりに入れてもらうことにしたのです。この辺り、ゆりちゃんの影響は大きそう。あれだけもこっちのことを大事に思っている友達がいるのだから、もこっちを独占してはいけない、という優しさが見え隠れ。

 こみさんは友達少ないと自虐しましたが、もこっちの方が友達として上ということではなく、ゆうちゃんはこみさんとも勉強したかったんだと思います。二人と一緒の大学に行きたい、ってことですからね。
 解釈によってはちょっと面倒なことになりそうなゆうちゃんの提案を、こみさんは快諾。懐の深さがうかがえます。彼女にとってもゆうちゃんは大切な友達。軽い皮肉こそ口にしましたが、内心は嬉しいはずですね。

 最後のページ、場面は数日後。約束通りスカイプで勉強を共にすることになったこみさんと伊藤さんとゆうちゃん。伊藤さんとゆうちゃんはお互いに自己紹介。ゆうちゃん、紹介されたばかりで光ちゃんと呼んでます。即名前呼びまでこぎつけられるのはなかなか凄いことですね。僕にはとてもできない
 仲良く話す友人二人の様子を優しい微笑みを浮かべて見守るこみさん。あっ天使だ

 そんなこんなで勉強会は続いていました、が……ゆうちゃんと伊藤さんの見る画面から、何やら奇妙な音声が。

コオロギ「もう何かシンプルに智貴くんのお兄ちゃんになりたいなー…」

どうしたら

 ……お兄ちゃん? お姉ちゃんではなく? つまり、智貴の兄になれば同性同士、より直接的に智貴と接することができる、ということでしょうか。うら若き女性の発想としては混迷を極めているような……シンプルってなんだよ(困惑)
 コオロギさんをよく知る二人、何も言わずに各々の個性に則したドン引きエフェクトを発動。これを毎回聞かされている伊藤さんの心境やいかに(すっとぼけ)


ゆうちゃんの知らないもこっち
 修学旅行まで、もこっちの友人と言える人は、ゆうちゃんとこみさんの二人だけでした。わたモテの世界がぐっと広がったことを示すと同時に、友人の変化に嬉しさと寂寥感を覚えるゆうちゃんの心情がしっとりと伝わりますね。
 コオロギ? 知らん この人はほんとブレないな……





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