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私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! の感想をしたためていきます。
伊藤さんの闇は深い、のかも


あらすじ
 球技大会2日目のお昼休み。智子達は昼食を共にする。その最中、小宮山がソフトボールの参加者にある動画を見て欲しいと言い出す。そんな彼女を見て、伊藤さんは小宮山と出会った頃を思い出し……。


昼食休憩のメンツの多いこと
 もこっち、ゆりちゃん、吉田さん、まこっち、ネモ、加藤さん、岡田さん。さらにこみさんと伊藤さんまで加えた9人の大所帯で昼食。もはやクラスの一大勢力で、その中心にもこっちが居ると言っても過言ではありません。
 卓球とソフトボールは準決勝まで進出し、さすがは3年生という実力を見せてます。ゆりちゃんはどうでもよさそうだ 食べる物にそれぞれの個性が出てるのもいいところですよね。加藤さんは相変わらずストイックなチョイス。体でも作ってらっしゃるの?

 そんな団らんのひと時、突如として小宮山さんが「ソフトボール組のみんなに見て欲しい動画がある」と声を立てます。その動画には、全盛期の佐々木風香がソフトボールの投手として投球するシーンが映っていました。次の試合のミーティングを昼食休憩を利用して行おうというのです。

よし みんなきけ。

美少女こみやま
 話は実際の撮影時に。ウインドミル投法を披露する風夏の動画撮影を伊藤さんに任せ、素人知識で戦力分析を行うこみさん。こういうのいっぺんやってみたかったんだろうな、という伊藤さんの冷静な分析が光ります。身に詰まされる思い 一人盛り上がるこみさんに、伊藤さんは黙って付き合ってあげることにしました。実に肝要、器の大きさがうかがえますね。

 そこに登場したのはちんシスの妹分こと朱里。智貴が出場するサッカーの試合が始まるとこみさんに告げに来てくれました。同じ男を愛する女同士、出しぬくようなことはしないようで。ほんまええ子やな……。
 球技大会はサッカー部ということでサッカーを選択していた智貴。どうやら本来のポジションのFWでなく、DF。経験者ゆえに未経験者を立てるさりげない気配りを見せます。モテる秘訣がここに
 競技に励む彼を、ど変態なのに乙女の顔に薄めのトーンを張り付けて見守るこみさん。もしかして美少女……?


伊藤さんとこみさんの出会い
 伊藤さんはこみさんと初めて会話した頃を回想します。
 これは興味がありました。ある種、もこっちよりも常軌を逸した言動を見せるこみさんと、大人しそうな伊藤さんがどのように友達になったのか。

 2年前、1年生の伊藤さん(前髪が眉の上)は、球技大会で敗れて慰め合うクラスの女子の輪に入らず、遠巻きに見守るだけ。彼女も友達が少ないタイプなんでしょうか。色んな人と話すのは好きじゃない、と自己申告もしています。

 そんな伊藤さんと同じく、ぼっち、というより孤高さすら漂わせて人気のない場所で文庫本を読むこみさんを見かけた伊藤さんは、思わず話しかけます。同じクラスながら会話も初めてだったらしく、おたがいに自己紹介。会話の途中ながら読書に意識を奪われるこみさんの横顔の綺麗なこと……まさか美少女……?
 相手がロッテを知っている前提で話を進め、伊藤さんが興味ないと断言したにも関わらず、ロッテマリーンズの布教に勤しみます。あいつロッテの話題になると ロッテを知る者はプロ野球が好き……至言だな! スワローズでもいいのよ
 ちなみに、のちのち伊藤さんの性癖好みがわかりますが、どうやらこみさんが異常性を覗かせるところに惹かれたらしいです。まとも過ぎる智貴はNG


おかしな友達
 場面は現在へ。ミーティングを行うこみさんの熱の入り様に、クラスメイトに過ぎない岡田さんは明らかに引いてます。そこら辺の空気を読まないのが、らしいとも言えますね。上位打線に座る岡田さんの打力を評価している節があるので、自然と熱くなったんでしょうか。
 みんなに別の動画を見せようとしたとき、突如として出現した弟の姿をみかけたもこっちは黙っていません。盗撮を糾弾するも、このコオロギは「夜は映像を分析精査する必要がある」と譲りません。何の役に立つんです?

 伊藤さんにこっそり耳打ちし「(友達やってて)大変だな」という意味で慰める岡田さん。でも伊藤さんは「ことがおかしくなってるここ重要時は自分も楽しい」と優しい笑みを見せました。友達を評価するセリフとしては少しおかしめですが……? 岡田さんもいずれ、真っ赤な顔でエロゲをするネモを見てこういう心境に至る日が来るんでしょうか。
 ネモの親友である岡田さんと、こみさんの親友の伊藤さん。あくまでメイン級ではない二人のちょっとした会話は、わたモテの世界が昔よりずっと広がっていることが分かって趣きがありますね。いとをかし


小宮山の観察者・伊藤さん
 こみさんと伊藤さん、仲良くなってからもおたがいに友達は増えなかったようだが、最近は話す相手が増えました。というのも、こみさんともこっちが望まぬながらも近いため、もこっちに友達が増えると、必然的に伊藤さんも他人と関わる回数が増えるという理屈。そしてコオロギの異常性が露わに この状況、伊藤さんは好ましく思っているようで何より。

 妄想してみるに、修学旅行の際、もこっちが二人と一緒に行動していれば、もこっちと伊藤さんが仲良くなっていたのかもしれません。現状はおたがい友達の友達、ぐらいの目ぼしい会話も無いリアルな距離感。その方がいいか


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