わたモテ21巻

私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! の感想をしたためていきます。ネタバレしてるので、先に本編を見てね

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役者とは


あらすじ
 文化祭の演劇で、自身の演技の拙さに悩む智貴。そんな彼に、ゆりがアドバイスをするのだが……?


経験ゼロの達人
 喪204後編。
 撮影はいよいよ本番。その勢いを左右する最初のシーンとは、卑猥な音を教室中に響かせるネモの姿であった……うーん初っ端からこれかぁもっとやれ。

 迫真の演技が終わり、一息つくネモを賞賛する風夏。「演技にリアリティがある!」「何度もやった経験者にのみできる演技だ!」と罵倒大絶賛。乙女ネモ、濁った瞳でその賛辞を否定するも、「経験なしであの演技ができるなんてどれだけムッツリなんだ」と方向性の違う罵倒を受け、「下品なエロゲーに影響された!」とその真髄を告白。よし、将来の食い扶持をひとつ掴んだな!

 風夏と絡むとみんな本性を垣間見せてくれるので好き。もしかして風夏は結構な人タラしなんじゃないスか?


生徒会長は聖域
 続いては風夏と美保さんのシーン。どうやら部活の存続を賭けて野球勝負、というのが映画のおおよそのあらすじらしいです。スポーツで決着をつけたがる脳筋の生徒会副会長役が風夏、生徒会長役が美保さん。うーむ生徒会役に説得力のあるビジュアル(失礼) 特に風夏はハマってる感じしますね。

 美帆さんは「自分より風夏の方が生徒会長に向いている」と意見しますが、監督もこっちはどちらにも生徒会長感があるとした上で、個人的に思い入れのある生徒会長役に美女ゴリラ風夏を置くのは冒涜とバッサリ。おー今江先輩リスペクト。こういうの嬉しいですね。風夏の心境はともかく。

 ここでカットインしてきた新進気鋭の役者うっちー、自身のイメージを監督に尋ねます。もこっちの脳裏には、いついかなる場面においても、すっと画面に馴染むその親和性を活かす適役『エキストラ』。
 それをそのまま伝えることはせず、オブラートに「生徒会なら書記」と伝えるのでした。極論書いた字がよっぽど読みにくくなければ誰でもいいしな! その議題はなんだオラァン


本番でやろうローキック
 続いて、場面は智貴達のクラスの演劇練習に。朱里のなかなか堂に入った演技に応えるのは、哀しきモンスターばりの棒読み演技の智貴。監督からも演技指導が入るほど感情が無い様で、主役としては前途多難。誰でもそうなるんや。

 苦戦する智貴のために、紗弥加から感情を入れるための過激な演出意見が飛び出しますが、朱里は慣れた様子で排除します。朱里さんは公平な方ですね。チャンスだったのに

 かわいいジャージさんの指示で次のシーン撮影に移ります。紗弥加も同じシーンを演じる役者だったようで、復帰して演技スタート。与田さん!
 どうやら朱里と紗弥加、智貴扮する王子を取り合う敵役のようですが、智貴王子、紗弥加姫の誘惑をドスの利いた声で撃退。感情はこもってましたが場面にそぐわない! 任侠物に変えます?

 ここで、なんと智貴から演技について提案が! 成り行きで主役に抜擢されたとは言え、前向きな姿勢は素晴らしいですね。さてその提案とは

智貴王子「姫の姉(紗弥加)にローキックしたい

 演技にかこつけて恨みを晴らしたいようです。でえじょうぶだ、アドリブって言えば何とかなる。

 監督を務める女の子、好き勝手言う役者の面々に少々手を焼いている模様。かわいいから頑張って
 そこに現れた謎の女学生こみさん、役者の衣装の下は野球のユニフォームがいいと意味不明の提案。王子が野球してたら世界観が台無しだろぉーがよー! あんたの撮影はどうなってんだ撮影は!


ゆりさんの演技論
 場面は再びもこっち達に戻って、今日の分の撮影は終了。風夏の演技が賞賛されています。それを見つめるゆりちゃんと、そのゆりちゃんを見つめるまこっち。

 放課後、二人は本屋に立ち寄り、演技のための実用書を探すようです。どうやらゆりちゃんも演技が上手くなりたい模様。ううむなかなか意地らしい心意気。
 ゆりちゃんが目ぼしい本に手を伸ばした瞬間、男の子と手が触れあい……って智貴じゃねーか! 智ゆり復権派が息を吹き返しそうです。ました。

 3人はなんと喫茶店に。まこっちは、目の前の男の子がもこっちの弟だとゆりちゃんから聞かされ衝撃。
 いつぞや、まこっちは、吉田さんと昼食を共にする彼の姿を目撃していました。夏休みの一幕では、吉田さんが男の子に裸を見せた情報も仕入れていました。まこっちの頭の中で、点だった情報が線になって繋がっていきます。すなわち、吉田さんが裸を見せた相手は目の前の黒木さんの弟なのでは!?

 その辺りの情報を詳しく聞きたいまこっち、ゆりちゃんを通じて探りを入れようとしますが、しかしゆりちゃんこれをスルー。憤るまこっち……その三人の背後、勉強中の女学生の顔は……うあああ サチだぁぁ! 修羅場です(断言)

 サチ、ガラス越しに三人の様子を怖い顔でうかがいます。智貴の交友関係が年上女子に集中しているのを見て、智貴の年上好き疑惑はいっそう濃厚に。

 三人の話題は演技の本について。智貴は、文化祭で演劇をやっていることを伝え、あまりできていないと周囲から指摘されたのを受け、自主勉強をすることにしたようです。ううむ真面目ないい子や……ゆりちゃんも似たような立場だったこともあり、智貴に同意。

ゆり「私も、周囲が求める演技と自分が思い描く演技で悩んでる」

 お?

 そこから真摯に語られる、演技派女優ゆりさんの演技論。海外をアゲて日本を下げたり、自分の求める自然派の演技と周囲のオーバーなそれが違うと責任転嫁し始めたり、監督の求めるものを演じるのが基本と自身の地位がうなぎ登り。さらには演技の仮面とくすぐったい言葉で内弁慶を上手いこと言い始めます。

 この場面、まこっちのツッコミが的確で笑っちゃうんすよね。それにしたってどうしたゆりちゃん……どうやら、演技苦手を自負する智貴に対するいつものゆりちゃマウントだったようです。自分の演技は棚上げにできるとこステキ。

 ゆりさんの演技論が智貴にどう響いたかはさておき、智貴は一足先に帰宅。残されたまこっち、「今日はよく喋るな(意訳)」とゆりちゃんにチクリ。演技論を皮肉られたゆりちゃんは驚愕の面持ち。まこっちなりの、お願いを聞いてもらえなかった反撃というところでしょうか。

 さらに追い打ちをかける傍観者サチ、「よくしゃべるなオマエ(意訳)」と口撃。サチのほうはこれ、無口な癖に智貴とは話せるんだな系ですかね……いかん、智貴周りが複雑怪奇になってきたぞ!(元から)


演劇も形になってきたな!
 映画を彩る役者、それぞれの想いで演技を高めているようです。ゆりちゃんが胸に熱いものを秘めていたのは驚きました。ゆりちゃんのデビュー作、将来語り継がれるものになるかも!?

 一方で、主役の演技に思い悩む智貴もなかなか珍しい。ゆりちゃんの演技論を自身の演技にどう昇華するのか。智貴のクラスの演劇はなかなか過激なファンが見に来そうで楽しみ。




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