わたモテ20巻
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! の感想をしたためていきます。ネタバレしてるので、先に本編を見てね


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誕生日ケーキのろうそく


あらすじ
 小陽の誕生日を明日に控えたサチは、誕生日プレゼントを探すことに。ひとりで用意する誕生日会は、今までとは勝手が違う様で……。


ネクタイ引いて暗がりに
 オムニバス回は続いて中編へ。ほう、後編も決定ですか(歓迎)

 まずはキバ子が登場。廊下を歩くキバ子は、オタクグループのメンバーたる柿沼くんとその友達に遭遇。そういえば、サチの暴言について彼らに謝っていないことを思い出します。
 なんという律義さ! キバ子さんすっかり成長なさって……(感涙)

 ということで、キバ子は自分から彼らに話しかけます。同時に素早くスマホを隠す柿沼くんの友人。なんだそれは? いかがわしい類のアレか? 見せなさい

 自ら話しかけはしたものの、キバ子はその次の言葉がなかなか見つかりません。そこに、廊下の向こうからサチがやってきます。キバ子はとっさに二人のネクタイをひっぱり、物陰に。エッチなやつではない

 どうやらサチ相手でもオタクグループへの接触は見せたくない……というか、サチ本人が仲直りした時に言ってましたもんね。サチへの心証を悪くしたくないのでしょう。

 そこに通りかかったのが、ネモと岡田さん。キバ子とオタク達という見ない組み合わせに少し目を留めたネモ。それに気づいた柿沼くん、キバ子の手を払いのけ、接触をしていないと見せかけます。お前もしかしてネモのことが好きなのか?(青春) 向こうはきっと何とも思ってないよ(無慈悲)

 ある種自分の存在を無下にされ、激昂するキバ子。ほう、柿キバですか。たいしたものですね。これを栄養源にする読者もいるほどです【要出典】。

 せっかく謝ろうとしていたのに、暴言の雨あられを置き土産に去っていくキバ子。残された男子達は怒って……いやそうでもねえな。上級者ですね彼は
 いつぞやの二人三脚以来の好意を見せた柿沼くん。慌てるな! それはオタクにも優しい例のアレだ! キバ子の深層心理を読み解くのだ!


便論
 続いてもこっちが、ゆりちゃんとネモを相手に弁論。いわく、う〇こを漏らすエピソードは世間に数あれど、自身ではそうそう無いとのこと。それはどうかな?
 そもそも、そういうトークを公に話すのが男ぐらいなものですが。喪199前編の男に関する下ネタと言い、男女の下ネタに対する捉え方はわりと溝が深そうですね。

 さらにもこっちは、男子と女子のお通じ事情についてトークを展開。便秘に悩まされる女子は多いと聞きますが、その辺りのところはジッサイどうなのか、気になった皆様は各自でお調べになってはいかがでしょうか。私は遠慮しておきます 調べたらけっこう出てきたゾ

 さらにもこっちは自身がおしっこを漏らした体験談を披露。ずっと一人で喋ってる! このエピソードはもこっちの独壇場、というか二人がびっくりするほど乗ってこなかった……まぁ題材がね? 二人にもそういう体験は


小陽ちゃんの誕生日
 続いての主役はサチ! やったぜ
 スマホを片手に思案中のサチ。どうやら、明日はキバ子の誕生日。去年はノリとマキに話を合わせ、おととしはまこっち主導+ゆりちゃでプレゼントを決めていたようです。今年はいろいろとあったので、サチだけで考えねばなりません。
 まこっちに相談してもよかったかもとは思いましたが、サチだけが考えることに意味があります。

 キバ子の欲しいものを考えるサチは、本人に直接LINEで聞いてみることに。「いま欲しいものは?」という問いに対し、キバ子は「お金」と実に素直。お前はよお!
 友達にお金を直にあげる、というのはもはやプレゼントと呼ぶには怪しい。いやそういうさっぱりした関係もありそうですが、一般的にはやはり心のこもったモノをあげたいところ。そう考えたサチは、ふと次のような心境に至ります。

サチ「面倒くさ……」

 プレゼントを考える時、こうした思いは誰もが多かれ少なかれ抱くと思います。相手の好みに合わせ、予算も考え、時間を割くわけですから、相手に喜んでほしいほど負担も相応に大きくなるもの。つまり、サチはそれだけキバ子に喜んでほしいわけですよ。フフッ(悶絶)

 放課後、店に立ち寄ったサチは、適当にプレゼントを見繕います。その最中、ぽち袋に目を留め……。


おめでとう
 翌日。授業中、サチはスマホでキバ子に連絡。昼休みに10分遅れで来るようにキバ子を呼び出します。昼休みになるや、サチは学校の外のケーキ屋さんに向かい、ケーキを買った後すぐに引き返します。ひとりでプレゼントのみならずケーキの用意も! いままでは分担できたことも、今年はサチ一人。
 サチの焦燥する姿を見ていると、いかんこっちまで不安になってきた。心の底から喜べキバ子ォー!

 サチが学校に戻ると、いつもの場所でキバ子が待っていました。物陰に隠れたサチは、開封したケーキにろうそくをぶすぶす。ところが、火を点けるものを忘れたことに気がつきます。実に初歩的なうっかりミス。
 二人以上なら助言があって回避できたかもしれないことも、一人では厳しい。そんなことに改めて気がつくサチ。できる人間だと思っていた自負も崩れ去りますが、いまはそれでいいのです。

 キバ子の下に、ろうそくが点いていないケーキを手にしたサチが、誕生日ソングをキャンセルしつつ登場。「ケーキよ」の言い方が、慣れてなくて適切な言葉が出てこなかった感じでかわいい。

 このサプライズに対し、キバ子の反応は……! めちゃんこ嬉しそうで草生える。ハート型の髪留めとはかわいいなぁたまげたなぁ。
 やはり、キバ子もノリとサチが居ない分、期待はしていなかったようで、喜びもひとしお。これだけ喜んでくれるとやりがいがありますね! おととしも去年も、誕生会を開催する側に彼女の喜ぶ顔が見たいというのはありそう。

 火のついていないろうそくについてのツッコミは、昼間だから意味なしと回避するサチでしたが、キバ子はお誕生日ソングの続きを催促。二人だとノリが違うと拒否気味のサチに対し、キバ子は「ノリ?」とかつての友人の名前を持ち出す素のボケ。こういうくだり、以前は4人の間であったんだろうなってちょっと切なくなりました。

 二人っきりで歌うのはキツいというサチのためらいと、それでも歌って欲しいキバ子の希望がぶつかった結果、サチはしぶしぶながらも歌ってあげるのでした。ああああああああかわいいいぁぁあああああ

 嫌そうな顔で歌うのも、その後顔を赤くしてるのもすごい。とてもすごい(小学生並の感想) サチはなんでそんなに強いんですか?
 それにしたってキバ子さんは、人前でケーキのフィルムをベロベロするタイプ? それともサチ前だから油断するタイプ?(詰問)

 さらに、サチはキバ子にプレゼントを差し出します。中身を見ずとも、これにはもうニッコニコのキバ子、サチだけいればいい(拡大解釈)とさえ言い出します。

 キバ子が単純に喜ぶさまを見て、したり顔のサチ。適当というには結構な真剣ぶりでしたが……しかも、プレゼントまでで喜んでもらえなかった場合に備え、保険を二つ用意していたという周到ぶり! 冒頭で考えてた時、やはりまこっちにも声を掛けてたんですね! 呼べばいいじゃない! まぁ二人でもいいけど(うろうろ)
 裏金という名のマネーを出さない結果になって良かったですね。ある意味、キバ子の冗談めいた答えを、サチが真に受けた感じになってそれはそれで美味しい。

 結果的にケーキとプレゼントとお歌で大満足のキバ子だったので、保険を利かす必要はありませんでした。内心でキバ子のちょろさにほくそ笑むサチです、が。本当に喜んでほしい気持ちと、ガッカリさせたくない気持ちが話の隅々までぎちぎちで俺は後方読者面をしてしまう。喜んでくれてよかったね。


キバサチの秋
 ちくしょうかわいいなこいつら! おたがいを大切に思ってますハートの的確さに、心臓が撃ち抜かれてもうありません。
 サチの等身大の悩みが、キバ子をストレートに想う優しい気持ちにつながっているのがいい。キバ子も、サチのためにフォローするのが実によろしい。

 今回の主役はキバ子とサチですが、汚れ役(意味深)をこなしてくれた中継ぎもこっちが二人の話を際立たせていいですね。
 キバ子と柿沼くんの関係は今後の宿題として楽しみにしています。柿沼くん、ここからが修羅場だぞ!





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